私は音楽や映像を録るのが好きだ。
本を買い込んで、積読状態にする人の方が知的なので憧れるけれど。
最初にハマッたのは、FM放送のエアチェックで、高校生のときラジカセを買ってもらい、FM放送
雑誌(FMfan とかFMStation なんていう雑誌があったのです)で番組を調べて、せっせと録音し
ていた。
その後、レンタルレコードでダビングすることも覚え、これまたせっせと借りてきてはカセットテープ
を増やしていた。
しかし、お金も知識もなかったので、オーディオに凝ることもなく、お金をかけるとすれば、せいぜい
メタルテープを買うぐらいだった。TDKの重いやつとか。
大学生になってバイトをするようになると、使える金額が増えたのでCDを買うことも多くなり、エア
チェックやダビングはだんだんやらなくなった。
しかし、この当時は、手に入れた音源は必ず聴いていたのだから、まだマシである。
就職して、ボーナスが出たのでビデオデッキを買った。
実はその前に、会社のビンゴ大会でBSチューナーとアンテナが当たり、私は当時まだ本放送を開始した
ばかりの衛星放送を受信できるようになっていた。
そして、BS2では「衛生映画劇場」という番組で、名作映画を次々に放送していた。
これが私の録画欲に火をつけたのだった。
吉祥寺のロヂャースでVHSテープの10本パックを買っては録画するという日々が続いた。
画質にもこだわり、すべて標準で録画したから、テープはどんどん増えていった。
最初は録画した映画を見ていたのだが、だんだん追いつかなくなり、むしろ見るためというより録画
するために録画するという、アホらしい事態になっていった。
気がつくと、本棚いっぱいにVHSのビデオテープが並び、私の部屋は圧迫されていった。
松山に戻ってからも録画は続き、失業して暇だったもんだから、エクセルでデータベースまで作った。
このときが録画のピークだったと思う。
集計すると、1300本を超えていた。このうち600本ぐらいは見ていない。
完全にどうかしている。
あ、そうだ、一時期8mmビデオで録画すれば大幅に収納が改善されるんじゃね? と勘違いして、ソニーの
8mm/VHS のダブルデッキを買ったのだ。ダブルチューナーだったから、録画が重なったときは重宝したもの
の、8mmは使い物にならんことが分かり、録画するのを止めた。
そんで、8mmに録画した映画を再びVHSで録画しなおしたのだった。もう、気が狂ってるね。
ところが、パソコンを買ってブロードバンドにして、いろんなものをダウンロードできるようになると、
私の映画を録画する行為はピタリと止んだ。
といっても、ウィニーで映画をダウンロードするようになったからではない。私は臆病だからP2Pソフトを
入れられないのだ。
実は、映画ではなく別のものをせっせとダウンロードしている。
詳しくは書けないが、モーニング娘。関係のもので、すでに160GBの外付けハードディスクが満杯になって
しまった。DVDに焼いているのだが、なかなか追いつかない。
しかも、落とすだけ落として、まだ見てないものがある。
何度同じことを繰り返しているのか。
結局、根がいやしいものだから、基本的にタダで放送したりアップロードされているものがあると、
ダボハゼのようにくらいついてしまうのだろう。
その結果、大量の不良債権化したVHSビデオがあるわけだが、これからちゃんと働いてHD/DVD
レコーダーを買って、同じタイトルの映画を録画してからでないと、もったいないから捨てる気には
なれない。
ていうか、録画したものを全部見ろ、と自分に言いたい。
何かの情報をパッケージ化して、自分のものにしたいという欲望は、オタク特有のものではないかと思うが、
技術革新のおかげで物理的なスペースをとることがなくなってきたので、これからもどんどん収蔵し続ける
人が増えるのだろう。
本人が死んだら、ただのガラクタになることは分かってても止められないのだ。*タメイキ*