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ねーか、と思い出した。
私は、伊丹十三の作品のなかで、これが一番好きだ。
本人も「ルイス・ブニュエルみたいな作品にするつもりだった」と語っており、本筋と
関係なく、他のエピソードを複雑に挿入する構成を気に入っているようだった。
だが、興行的には失敗し、おそらく伊丹十三は、この路線では二度と作るまい、と決めた
のだろう。
その後、「マルサの女」などの宮本信子を使ったシリーズを製作することになる。
(スピルバーグが「1941」を作って興行的に失敗し、この路線の映画はその後自分では
一本も監督してないのに似ている)
「タンポポ」は、「シェーン」という映画と同じである。
ふらりと現れた屈強な男が人妻を助け、二人は結ばれそうになるのだが、男は去っていく。
そういう構造だから、借金取りを追い返すのだって、おいしいラーメンの作り方を教える
のだって、助ける内容は何でもいいわけだ。
ただ、それだけでは映画としてふくらみがないと考えたのだろう。
餅を喉に詰まらせる老人や、美食を追い求める白い服のヤクザ、スーパーの食べ物を
とにかく指で押しまくる老婆など、不思議なキャラクターで食べ物にまつわるエピソードを
描いている。
伊丹十三は、もともと食道楽の人だったので、そのウンチクを語るや、他の追随を許さない
ところがあった。
私は彼のエッセーで、初めてアーティチョークという食べ物のことを知った。実際に
イタリアで食ってみたが、それほど感動する味でもなかった。
たしか、この本に書いてあったのかな?
- 作者: 伊丹十三
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この作品のために大型車両免許をとった山崎努をはじめ、いまやハリウッド映画にも
出演している渡辺謙の若き姿や、まだ無名だった役所広司も見ることができる。
彼らをキャスティングしたのは慧眼だと思う。
というわけで、誰かテレビドラマで「タンポポ」のリメイクをやらないですか?
本文と写真は全く関係がありません
(イタリア チネチッタの入り口)