- 作者: 池田清彦
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/01
- メディア: 新書
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「自然を大切に」とか「地球にやさしくしよう」とかの口あたりのいい評語が流行り
だして久しいが、地球にやさしくしなくとも、自然を大切にしなくとも、地球や自然
は別に何も困らない。本文より引用
この本では、地球温暖化問題・ダイオキシン問題・外来種問題を俎上に上せている。
これらは、すべて科学的に疑問があり、それぞれの利権にからんでいる奴らが儲けて
いるだけではないか、ということを論証している。
地球温暖化問題といえば、先日NHKスペシャルで「気象大変動」という番組を放送して
おり、IPCC(国連の気象変動に関する政府間パネル)元議長とかいう白人が、100年後
には世界は大変なことになる、と脅していた。
しかし、この予測は地球シミュレーターの計算に基づいており、本当に100年後に
気温が上昇するかは、誰にも予測できないはずだ。
もっとも、番組では大西洋での気温上昇とブラジルの熱帯低気圧の発生について
地球シミュレーターが予測していた、と放送していたが、アマゾン川流域が砂漠化
するというのは、素人が見てもどうかと思う。
あと、北極の氷が溶けると海水面が上昇する、というのはウソだということが、この本に
ちゃんと書いてある。コップの中に浮かんでいる氷が溶けても、水位は変わらないのだ。
みんな、騙されないでね。
ダイオキシン問題についても、日垣隆が「それは違う!」で指摘していたように、
ウソと恫喝で塗り固められたものだった。
本書でも、ダイオキシン法という悪法のために、税金が環境省の天下り先や高級焼却炉
業者たちで山分けされている実態が浮き彫りになっている。
そういえば10年ぐらい前だったか「買ってはいけない」という本が売れたことがあった。
食品添加物をターゲットにして、読者を恫喝したトンデモ本だ。
こういう、人の不安を飯のタネにする商売は、いつになってもなくならないな。
ものごとには、メリットとデメリットがあり、明らかにデメリットの方が大きい場合は、
止めたほうがいい。
この単純な話が、ある種のイデオロギーの原理主義者には通用しない。
そのことに、池田清彦は怒っている。
何も、エネルギーを浪費しろとか、外来種をどんどん持ち込めばいいと言っているわけ
ではない。
ま、役所やメディアは無視するんだろうけどね。衆寡敵せず。