二酸化炭素の削減について、世界中であれやこれやと言っているが、こんなに大ごとに
なっているのが不思議といえば不思議だ。
というのも、二酸化炭素を削減するという考え方の根底には、地球の気象を人間がコン
トロールできる、という発想があるからだ。
でも、そんなことは可能なのだろうか?
気象の大変動は人智の及ばぬところである、と私は思っている。
もちろん、化石燃料をガンガン消費して二酸化炭素を排出しているのは人間だ。
なので、原因は人間にあるのは事実だけれど、それを何とかできると考えるのは傲慢な
ような気がする。
おそらく、化石燃料を完全に消費するまで、低炭素社会はおとずれないだろう。
一度手にした便利さをあっさり手放すわけはないからだ。
だからといって、何もせず、ただ今までどおりに暮らしていればいい、と考えているわ
けではない。電力を節約したりすることは大切だと思う。
それでも、エコロジー運動にいまひとつ乗り切れないのは、それ自体が経済活動になっ
ているからだ。
自分が「地球にいいこと」をしているつもりになって、誰かの金儲けの片棒を知らず知
らず担いでいるとしたら、かなりバカらしいのではなかろうか。
私自身は、クルマやエアコンのない生活をしているので、傍からは割とエコな生活をし
ているように見えるかもしれない。
しかし、それは単に私が面倒くさいからであって、別に地球のため(というか人類のため)
にやっているからではない。
たぶん、今の社会では何をするにしてもエネルギーを使うのだから、本当に環境問題を
考えるなら、できるだけ何もしないのが一番である。
そうすると、ニートが最もいいということになるかもしれない。
ネコは一日中ゴロゴロしていても何の文句も言われないが、人間は金儲けをしなければ
穀潰し扱いされる。
私は人類ネコ化計画を実行して、暑いときや寒いときはゴロゴロと寝転がっている生活
を推奨したい。