カール・マルクスの思想が、誤解されたにせよ結果的に旧ソ連のような

全体主義国家を誕生させ、おびただしい人を不幸にしたように、ミルトン・

フリードマンの思想が今日のような新自由主義国家を誕生させたと思う。

なので、後の世ではマルクスが恨まれるのと同じようにフリードマン

恨まれるのではなかろうか。

 

映画館で上映中にスマホを見る若者がいて、2時間ずっと映画を

見ることに耐えられない、という意見があった。

若者の集中力が低下しているのだろうか。

 

たしかにネット動画は長くても20分ぐらいだそうだし、スマホ

映画を見るときも途中で止めたりしているのだろう。

映画や演劇やコンサートの長さがだいたい90分から120分ぐらいに

なっているのは、人類の普遍的な集中力の平均だと思うのだが、

それは近代になってからの数値なのかもしれない。

 

寄席とか歌舞伎は朝から晩までやっているけれども、観客は

全部を集中して見ているわけではなく、途中で弁当を食べたり

野次を飛ばしたりしていたから、昔はもっと集中力が短かった

かもしれない。

 

 

音楽では、クラシック音楽交響曲が1時間弱ぐらいだし、

ポピュラー音楽でもコンセプトアルバムが作られたのは1960年代

からでその歴史は50年ぐらいしかない。

しかも現在では好きな曲を細切れに聴くのが主流になっているから、

コンセプトアルバムをがっつり聴く習慣は若者にはないだろう。

アルバムの中の「捨て曲」という意味も分からないと思う。

 

 

そうなると、エンターテインメント業界も作品の長さを短くせざるを

得なくなるのかもしれない。

ロバート・デニーロ主演の5時間もある映画「1900年」を見る人は

いなくなるだろうし、そもそも上映する映画館もないだろう。

 

香港の選挙で民主派が勝利したそうだ。とりあえず民意は示せた。

はたして習近平はどう落とし所を見つけるのだろうか。

 

知り合いに香港映画が大好きで、広東語を独学してペラペラになり、

香港を舞台にしたBL小説的なものを作っているオタクがいる。

もう25年ぐらい会っていないが、ペンネームを検索するとツイッター

していることが分かった。

 

はたして香港の民主化運動をどう思っているのだろうと見てみると、

がっつり体制派だった。佐々淳行の本をひいて、日本の学生運動

同じような連中だと言っていた。

 

香港のデモは、最初はおとなしかったがだんだん過激になっていき、

警官と衝突して死傷者が出始めてから、日本の学生運動と同一視する

人が増えてきた気がする。

 

だが、香港の人々は共産党政府に飲み込まれるのが嫌だと反対して

いるわけで、日本の学生運動の反政府活動とは違う。

そこを混同しているのは杜撰だと思う。

 

言論や表現の自由がなければ、同人誌活動だって禁止されるかも

しれないというのに、そういう想像力は働かないようだ。

自分は体制側にいて、何を禁止できるか決められる立場にずっと

いられると思っているのだろうか。

大阪で誘拐された女児が栃木県で無事に発見されたという事件が

あった。自力で逃げ出して交番に行ったらしい。

とにかく親はほっとしているだろう。

 

しかし、ネット上では女児の名前や写真がずっと残り続けることに

なる。もう本人は忘れたいのに、ずっとついてまわるだろう。

 

こういう誘拐事件で情報提供した名前とか写真は、事件が解決

したらネットから削除できないものだろうか。

無理だとは思うが、せめて検索で引っかからないような配慮は

ほしいと思う。

 

アマゾンで安い中国製のドライブレコーダーを買った。

しかし、素人ではうまく取り付けられる自信がない。

ディーラーに電話して、取り付け料がいくらぐらいかかるか

訊いてみたら8800円だという。

まあ、たしかにそのぐらいでしょうね。

ただ、3000円ぐらいのドライブレコーダーを取り付けるのに、

それ以上のお金をかけるのも悔しいので、まだ設置していない。

 

 

倉本聰のドラマ「やすらぎの刻」を見ているのだが、平成編に

入るとどうもいけない。

テレビゲームとか携帯に偏見があるので、若者がそれを持っていると

ダメだと決めつけている。

 

私は橋爪功が引きこもりの孫の部屋にあったゲームソフトやパソコンを

勝手に捨てる場面を見て唖然とした。あれは犯罪である。

 

その後、引きこもりの孫は橋爪功のいる山梨を訪れて農業青年になる

のだが、このような素朴な農本主義みたいなものは老人の郷愁でしか

ないだろう。

 

ゲームがいけないのなら、タバコだっていけないはずだ。

老人たちが吸っているタバコを全部勝手に捨てて、健康になりましょう、

などと言ったら彼らは激怒すると思う。

 

だいたい、「北の国から」ではあれほど携帯を憎んでいたのに、「やすらぎの

郷」では石坂浩二が若い娘とメールのやりとりをして喜んでいた。

たぶん倉本聰が携帯の使い方を知ったからだろう。

 

いっそ、加山雄三にテレビゲームの面白さを叩き込んでもらったら

どうだろうか。