*[本]現代社会の理論

ほぼ四半世紀前の著作なので、いま読むと厳しい部分もあるが、基本的な
ところは間違っていないと思う。


この本が書かれた1996年は冷戦が終結して自由主義陣営が勝ったと思われて
いたので、そこから資本主義をどう修正していくか、という話になっている。


ところが2020年では中国が台頭して米国を脅かすほどになった。
アングロサクソン型の資本主義ではなく、中国型の国家資本主義が世界を
席巻している。


豊かな社会は持続可能なのか、より厳しく問われなければならない。
四半世紀前に出された問題提起が、いまほとんど顧みられていないどころか、
グローバル化によりますます悪化しているのが絶望的だ。


そのあたりの展望は、2018年に出された「現代社会はどこに向かうか」を
読まなければならないのだろう。