アイルトン・セナが亡くなって、もう25年になるそうだ。

その日、私は連休の旅行でリオデジャネイロにいた。

いろいろ端折るが、アテンドしてくれた人がラジオの放送を

黙って聞き始め、なにごとかと思ったら「セナが死んだ……」と

うなだれた。

翌日、ブラジルは喪に包まれた。ニュースで号泣している人が

映っていた。

そのときの様子は、まだぼんやりと憶えている。

そして、ぼんやりしていたら25年があっという間に過ぎて

しまい、ただ年をとった初老の人になったことに呆然と

している。