戦前日本のポピュリズム

日比谷焼打事件から第二次近衛内閣まで、大衆がメディア(主に新聞)にどれだけ
煽られてきたかを詳述している。
わりと最近まで日本人は暴れまくっていたのだなぁ、と思う。


今のデモは基本的にお行儀の良い平和なもので、それはそれで好ましいのだが、
実際に政府をビビらせるには死者が出るぐらい暴れないといけないのでは
なかろうか。


第二次近衛内閣で大政翼賛会ができたときに、著者は

この「新党結成」のような手段が理念・目的のように語られるのが、
繰り返される日本的ポピュリズムの特質とも言えよう。(p 276)

と述べている。これは現在でもよく当てはまることだ。


結局、普通選挙が実施されている状態でポピュリストが選出されるという
ことは、彼らを選ぶ人がたくさんいるからで、どの時代も大衆は騙され
やすいということなのだろう。


現代のポピュリズムについては

本書に詳しい。


なんだか最近、中公新書が攻めていて面白い。
逆に新潮新書や文春新書の勢いが弱まっている気がする。