
- 作者: エズラ.F・ヴォーゲル,橋爪大三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/11/19
- メディア: 新書
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インタビュアーになって話を訊く、という本である。
(※トウは機種依存文字なのでカタカナにする)
実際、対話形式なのでサクサク読める。注釈も同じページ内にあって見やすい。
この1冊でトウ小平がどんな仕事をしてきたのか、だいたい分かる。
改革開放路線を進めた、合理的な政治家だった、という印象だ。
ただ、やはり大味な感じは否めないので、食い足りない人は原本を読むしかない
のだろう。
↓
終わりの方に、トウ小平以降の国家主席の評価があって、江沢民が意外と高かった
ので驚いた。
なぜ彼が反日教育をするようになったのか、もう少し突っ込んでほしかったが、
それはインタビューの趣旨から外れるのだろう。
習近平は、まだ現役の政治家なので、確定的は評価は下せないようだが、優秀な
人であることは間違いないらしい。
結局、今も昔も中国は政治家の腐敗が問題になっており、そこを何とかしないと
最悪、内戦になるほど不安定だということか。
それを防ぐためには、まだまだ中国共産党の一党支配は必要である、と。
ただ、エズラ・ヴォーゲルも橋爪大三郎も、中国の民主化については何となく
楽観的な印象があった。
自分が生きている間には実現しないだろうが、いずれは選挙で国の代表が選出
されるのではないか、という希望があるように思える。
果たしてそううまくいくのかどうか。
少なくとも習近平の政権中は無理なのだろう。