Boaz2015-06-26

百田尚樹の頭の中では、中国が今にも日本を占領しようと牙をむいているようだ。
これに同意する人も多いだろう。


で、防衛白書平成26年度版()を見ると、「中国公船の尖閣諸島周辺の領海への
侵入回数」の図表が載っている。
これによると、2012年の9月から12月期に急増している。


このとき何があったかというと、当時の石原都知事が4月に尖閣諸島を東京都で購入する、
とぶち上げて、慌てた民主党政権が9月に国有化している。
それから約1年間、中国の領海侵犯は続くが、2014年に入ると各期数隻にまで減っている。


いまの中国にとっては、尖閣諸島よりも南沙諸島の方が優先順位が高いのだろう。
それに、もし本当に日本と戦争をするなら、かなりコストがかかる。
私が思うに、人民解放軍愛国心よりも金儲けの方が勝るのではないだろうか。



もう一つ、中国が台頭するまでは、旧ソ連が侵略してくる、と盛んに喧伝されていた。
冷戦後はそんな声も小さくなったが、防衛白書の「冷戦期以降の緊急発進実施回数と
その内訳」によると、ロシアの戦闘機は依然として領空侵犯している。


たしかに中国の戦闘機が急増しているのだが、ロシアも無視できない数である。
なのに、なぜ百田尚樹はロシアの脅威を煽らないのだろう? 
図表によれば、ロシア機の方が日本の領空付近をくまなく飛んでいるのだが。


北海道も伝統的に革新政党の方が強かったはずで、さらに百田尚樹が大嫌いな
鳩山由紀夫の選挙区もあった。
北海道新聞を潰せとは言わないのだろうか。



百田尚樹がどんな考えを持とうが自由だし、何を発言してもいいと思うが、
こんな幼児的なオッサンを持ち上げて勉強会をしようとする議員たちも
どうかしている。


というより、彼らはいつどこで「日本は悪い奴らによって歪められている」と
思い込んだのだろうか。
日本会議病とでも名づけた方がいいのでは、と個人的には思う。