昨日、ネットで知ったのだが、吉祥寺にある「ラーメン生郎」が4月下旬で
閉店していたという。
私がラーメン二郎を初めて食べたのが、まだ「生郎」に変わる前の「ラーメン
二郎」吉祥寺店だったので、寂しい気持ちになった。
この店は1986年に開店したという。
私が訪れたのは1998年ごろで、当時から行列ができていた。
最初は注文の方法に慣れず、あたふたしていたのだが、数カ月後にはすっかり
ベテランのように、呪文のような注文を口にできるようになった。
全マシを完食できたのがちょっとした自慢である。その後、腹を下したのだが。
汚い店と無愛想なオヤジで、まともなラーメン屋とは言えなかったけれど、
なぜか何度も食べたくなってしまう麻薬のようなラーメンだった。
「生郎」になってから、麺が細くなってしまい、私は食べに行かなくなった。
今でもラーメン二郎の麺は極太麺に限ると思っている。
その後、三田店や目黒店でも食べたのだが、やはりファースト二郎のインパクトは
忘れられず、あの味が懐かしい。
飲食店として約30年続いたのだから、オヤジも限界だったのだろう。
歳をとると馴染みの店が閉店するのをいくつか知るようになる。
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松山に「太養軒」というカツカレーが名物の店がある。
ここも初代の店主が引退し、二代目が続けていたが病気のため一度閉店した。
しかし、あの味が消えてしまうのはもったいないというので、別の人が
弟子入りして店を復活させた。
今日、たまたま近くを通ったら開いていたので、ジャンボハンバーグカレーを
食べた。550円で満腹になった。
けれど、私が高校生のときに通っていた初代の味ではない。
おそらく思い出補正があるのだろう。
上京しておいしいものを食べる前の記憶だから、本当は今と変わらない味
なのかもしれないが、それでも何か違うのである。
味覚というのは本当に主観的なものなのだろう。
↓
西荻窪に「キャロット」というステーキ屋があって、ここもよく通っていた。
ググると2013年11月に店長の病気で閉店し、別の人が2014年4月に復活させて
いたらしい。
ちっとも知らなかった。
名店というのは、お客によって支えられているのだな、と思う。
グレン・ミラー亡きあとも、グレン・ミラー・オーケストラが現在まで存続
しているのと同じなのだろう。
誰か「ラーメン生郎」も復活させてくれないだろうか。