Boaz2015-05-05

昨日、ネットで知ったのだが、吉祥寺にある「ラーメン生郎」が4月下旬で
閉店していたという。
私がラーメン二郎を初めて食べたのが、まだ「生郎」に変わる前の「ラーメン
二郎」吉祥寺店だったので、寂しい気持ちになった。


この店は1986年に開店したという。
私が訪れたのは1998年ごろで、当時から行列ができていた。
最初は注文の方法に慣れず、あたふたしていたのだが、数カ月後にはすっかり
ベテランのように、呪文のような注文を口にできるようになった。
全マシを完食できたのがちょっとした自慢である。その後、腹を下したのだが。


汚い店と無愛想なオヤジで、まともなラーメン屋とは言えなかったけれど、
なぜか何度も食べたくなってしまう麻薬のようなラーメンだった。


「生郎」になってから、麺が細くなってしまい、私は食べに行かなくなった。
今でもラーメン二郎の麺は極太麺に限ると思っている。


その後、三田店や目黒店でも食べたのだが、やはりファースト二郎のインパクトは
忘れられず、あの味が懐かしい。


飲食店として約30年続いたのだから、オヤジも限界だったのだろう。
歳をとると馴染みの店が閉店するのをいくつか知るようになる。



松山に「太養軒」というカツカレーが名物の店がある。
ここも初代の店主が引退し、二代目が続けていたが病気のため一度閉店した。


しかし、あの味が消えてしまうのはもったいないというので、別の人が
弟子入りして店を復活させた。


今日、たまたま近くを通ったら開いていたので、ジャンボハンバーグカレーを
食べた。550円で満腹になった。


けれど、私が高校生のときに通っていた初代の味ではない。
おそらく思い出補正があるのだろう。


上京しておいしいものを食べる前の記憶だから、本当は今と変わらない味
なのかもしれないが、それでも何か違うのである。
味覚というのは本当に主観的なものなのだろう。



西荻窪に「キャロット」というステーキ屋があって、ここもよく通っていた。
ググると2013年11月に店長の病気で閉店し、別の人が2014年4月に復活させて
いたらしい。
ちっとも知らなかった。


名店というのは、お客によって支えられているのだな、と思う。


グレン・ミラー亡きあとも、グレン・ミラー・オーケストラが現在まで存続
しているのと同じなのだろう。


誰か「ラーメン生郎」も復活させてくれないだろうか。