Boaz2015-04-11

昨日、サッカーボール判決のことで、紹介したい映画があったけど、どうしても
名前が思い出せなかった。


それが寝る前になってひょいとタイトルが出てきた。
「わが心のボルチモア」である。

名匠バリー・レヴィンソン監督の佳作で、東欧から米国に移民したユダヤ系の
家族の物語である。


である、と書いたが、話の内容はほとんど忘れてしまった。
唯一憶えているのは、その家族の子供が倉庫で遊んでいて火の不始末から全焼
させてしまうエピソードだ。


ゼロから商売を大きくしたのに、倉庫が丸焼けになって呆然としている父親の
横で、少年ががっくりしている。
しかし、父親は「お前のせいじゃないさ」と慰めるのである。


この一言で、少年は多少とも救われる。
少年の人生が、ひとつの過失によって歪むことがないための配慮だと思う。



サッカーボール判決では、被害者と加害者が他人だったけれども、残された
人生は当時11歳の少年の方が長い。


85歳の老人に怪我をさせてしまったことは反省しなければならないが、その
ために少年の可能性まで奪うべきではないだろうと思う。