アニメ「暁のヨナ」が終わった。
これも連続2クールの良作だった。
米田和弘はこれが初監督作品だろうか。だとしたら堂々とした手腕だと
思う(偉そうな言い方だが)。
四龍が集まったところで終わったので、是非その続きをアニメ化して
ほしい。
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主人公に特殊能力のある仲間が次々に加わり旅を続け、宿敵を倒す、と
いう物語は、それこそ人類が神話を語り始めたころから存在するのだろう。
同じパターンの話なのに、面白いものはやっぱり面白い。
なぜこの話型はずっと飽きられないのか、不思議だ。
たいていの場合、主人公は「いい奴」である。
で、仲間は主人公のために働きたくなってしまう。
この「いい奴」というのは、良い/悪いという価値基準を前提にしている。
困った人を助けるとか、弱い者いじめをしないとか、そういう人間を
良いとしている。
それは、人類が一定の集団あるいはパーティーを組む場合に不可欠な
要素で、だからこそ物語で繰り返されるのかもしれない。
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でも、多くの物語作家は、早くからこのパターンに気がついて、逆の
ことをやろうとしたはずである。
極悪非道な主人公に悪の仲間が集まって、悪いことばかりする、という
話だって作られたと思う。
そういう物語で現在まで語り継がれているものは、どのくらいあるの
だろうか。私はパッと思い浮かばないけれど、たくさんあるのだろう。
ただ、話の終わり方として、「わるい奴」がひどいことばかりして
いったら、自滅するしかないのではなかろうか。
そもそも、仲間だって裏切るだろうし、仲間に殺されるかもしれない。
そんな話を好んで聞きたがる人も、あんまり多くないのではないか。
いや、まてよ。
キリストの生涯というのは、ユダヤ教徒から見ればそういうものか。
だから新約聖書はこれほど長く読み継がれているのかも。