Boaz2015-02-27

NHKで夜中にやっていた「浦沢直樹の漫勉」を偶然見た。
先月やっていたのを見逃していたので、見れてよかった。


マンガ家が実際に下書きからペン入れする作業までを撮影して、
後から浦沢直樹と一緒に見る、というスタイルを考えた時点で
素晴らしい企画になっている。


やはり、プロのマンガ家どうしが語り合うのが一番いい。
今回、撮影を快諾したのは、かわぐちかいじ山下和美だった。


浦沢直樹は、おそらくマンガの技術を記録に残しておきたいという
考えもあったのだと思う。
下書きに使うシャーペンの芯の太さや濃さ、ペン入れのペンの種類
などを細かく質問していた。


プロのマンガ家が、印刷されたものを見て、「これ、どうやって
描いたの?」と思っても、本人しか分からないテクニックがある
としたら、一代限りで消滅させないで共有しましょう、という
姿勢があるのかもしれない。



偶然なのか狙ったのか分からないが、今回の撮影に登場したかわぐち
かいじと山下和美は、モーニングで代表作を描いたという共通点がある。


そして、その影には栗原良幸という魔王のような編集長がいた。
彼が日本のマンガに与えた影響はかなり大きい。
さっきググったら、文化庁メディア芸術祭の第14回で功労賞を受賞して
いた。偉大な編集者である。


「漫勉」のホスト役である浦沢直樹は、当然知っていると思うのだが、
当時は小学館の看板作家だったので、あまり接点はなかったのかも
しれない。


番組の中で、かわぐちかいじが「登場人物の目を大きく描いた方が
いい」と編集者から言われたと言っていたが、そのアドバイス
したのが栗原編集長である。


誰か栗原良幸を取材して本にすれば面白いと思うのだが、怖くて
近づけないのかも。



この「漫勉」という番組は単発なのか続くのか分からないけれど、
もし続くのなら、アナログではなくデジタルで描いているマンガ家も
出してほしい。


すでにウェブ上で作画過程を公開している人も多いと思うが、技術を
見せる意味で、浦沢直樹と会話して解説する方が面白いので。