NHKで夜中にやっていた「浦沢直樹の漫勉」を偶然見た。
先月やっていたのを見逃していたので、見れてよかった。
マンガ家が実際に下書きからペン入れする作業までを撮影して、
後から浦沢直樹と一緒に見る、というスタイルを考えた時点で
素晴らしい企画になっている。
やはり、プロのマンガ家どうしが語り合うのが一番いい。
今回、撮影を快諾したのは、かわぐちかいじと山下和美だった。
浦沢直樹は、おそらくマンガの技術を記録に残しておきたいという
考えもあったのだと思う。
下書きに使うシャーペンの芯の太さや濃さ、ペン入れのペンの種類
などを細かく質問していた。
プロのマンガ家が、印刷されたものを見て、「これ、どうやって
描いたの?」と思っても、本人しか分からないテクニックがある
としたら、一代限りで消滅させないで共有しましょう、という
姿勢があるのかもしれない。
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偶然なのか狙ったのか分からないが、今回の撮影に登場したかわぐち
かいじと山下和美は、モーニングで代表作を描いたという共通点がある。
そして、その影には栗原良幸という魔王のような編集長がいた。
彼が日本のマンガに与えた影響はかなり大きい。
さっきググったら、文化庁メディア芸術祭の第14回で功労賞を受賞して
いた。偉大な編集者である。
「漫勉」のホスト役である浦沢直樹は、当然知っていると思うのだが、
当時は小学館の看板作家だったので、あまり接点はなかったのかも
しれない。
番組の中で、かわぐちかいじが「登場人物の目を大きく描いた方が
いい」と編集者から言われたと言っていたが、そのアドバイスを
したのが栗原編集長である。
誰か栗原良幸を取材して本にすれば面白いと思うのだが、怖くて
近づけないのかも。
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この「漫勉」という番組は単発なのか続くのか分からないけれど、
もし続くのなら、アナログではなくデジタルで描いているマンガ家も
出してほしい。
すでにウェブ上で作画過程を公開している人も多いと思うが、技術を
見せる意味で、浦沢直樹と会話して解説する方が面白いので。