Boaz2015-02-16

映画「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」を見てきた。
20日に終わるので、滑り込みセーフだった。


ノイタミナ枠でやっていたアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」も
見ていたのだが、絶賛するほどでもなく、普通に楽しんでいた。
その劇場版も、最初からあまり期待しておらず、見終わった後も
特に言うこともない。


悪口を言わせてもらうと、二流の押井守作品というところか。



やたらと衒学的な最近の押井守の映画も、特に好きなわけではない
のだが、やはり「PSYCHO-PASS サイコパス」と比較すると、深みが
違う。監督が学生運動をやっていたかどうかの差だろうか。


そもそも、舞台を外国にしたのが失敗だったような気がする。
テレビシリーズは国内の犯罪捜査がメインで、犯人との知恵比べが
面白かった。


では劇場版で常守朱はどんな活躍をしたかといえば、敵のしっぽを
つかんで本部に解析を依頼したぐらいである。
どこに彼女の優秀な頭脳を活かす場面があっただろうか。


最後に影武者に対して啖呵を切る部分が、おそらく製作者が意図した
山場だと思われるが、何のカタルシスもなかった。
(設定では教育で歴史が教えられないことになっているらしいが、
なぜ常守は歴史をリスペクトせよ、と言えたのだろう?)


あと、英語のセリフが多すぎ。
それほど必然性があったとは思えず、声優が無理をして喋っている
感じが伝わってきた。
これも外国を舞台にした弊害だろう。



ただ、悪口だけで終わるのもアレなので、良かったところも書いておく。


それは、テーマの現代性とでも言えばいいのだろうか。
いまの日本政府は原発や新幹線を積極的に輸出しようとしている。
映画の中の、保安システムの輸出というのは、これを踏まえているの
だと思う。


それから、無政府状態になっている地域で軍閥が割拠しているのは、
シリアやイラクの現状を反映しているのだろう。
いわゆるイスラム国を、NHKでもイスラミック・ステートと呼ぶように
なったが、あれは軍閥と言うべきかもしれない。


それにしても、日本を除くほとんどの国が無秩序化しているという設定
だが、ハイテクな武器はどこで誰が作って売り歩いているのだろう?