曽野綾子が産経新聞に書いたエッセーが問題になっているらしい。
私もネットで拾って読んでみたが、単なるレイシストの文章である。
おそらく主観的には、日本のことを憂いて大まじめに書いたものだと
思うのだが「もし私が相手の立場だったら」という視点が完全に欠落
しているので、多くの人の反感を買ったのだろう。
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で、この「もし私が相手の立場だったら」という考え方は、どのくらい
普遍的なのだろうか。
古今東西、奴隷を使った民族はたくさんいて、使う立場の人は自分が
奴隷だったら、ということを深く考えないような気がする。
あいつらと俺らは完全に違うから、で思考停止しているような。
黒人奴隷を使っていた欧米諸国はキリスト教だし、同じく奴隷を使って
いたオスマン帝国はイスラム教である。
なので、宗教が原因ではないと思うのだが、なんか引っかかる。
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試しに「曽野綾子 キリスト教」で検索すると、どうもカトリック信者
からは、彼女はまっとうなクリスチャンではない、という批判がある
ようだ。
ただ、曽野綾子の考え方は、人間は他のものを自由に使役しても
かまわない、という一種のキリスト教的なものではなかろうか。
そして、彼女の考える人間には、有色人種や貧しい人は含まれて
いないのである。
いやいや、曽野綾子だって黄色人種ではないか、とツッコミが
入るだろうが、たぶんご本人はそう思ってないのではないか。
このあたりに、なぜか日本でキリスト教が普及しない原因がある
ような気がする。