「テヅカ・イズ・デッド」では、マンガの『キャラ』と『キャラクター』を
分けて考えている。
『キャラ』の定義は
多くの場合、比較的に簡単な線画を基本とした図像で描かれ、固有名で
名指しされることによって(あるいは、それを期待させることによって)、
「人格・のようなもの」としての存在感を感じさせるもの
とある。
一方、『キャラクター』の定義は
「キャラクター」とは、「キャラ」の存在感を基盤として、「人格」を
持った「身体」の表象として読むことができ、テクストの背後にその「人生」
や「生活」を想像させるもの
だそうだ。
で、『キャラ』の強いものは二次創作に使われるが、弱いものはあまり
二次創作に描かれない、という。
この後、『キャラ』と『キャラクター』の違いをいろいろと説明している
のだが、いまひとつピンと来ない。
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私が『キャラ』の説明でまず思い浮かんだのは、マンガではなく初音ミク
だった。
初音ミクは様々な人が描いており、全部微妙に違うのだが、全てが初音ミク
である。公式の初音ミクは、ソフトのパッケージに描かれたものかもしれ
ないが、誰もあれが唯一の正解とは思っていないだろう。
だが、初音ミクの人生とか生活というものは、あまり想像しにくい。
それらは二次創作で表現されているとは思うが、多くの人はボーカロイド
として唄ったり踊ったりしている姿だけをイメージするだろう。
↓
もうひとつ思い浮かんだのは、歴代のガンダムである。
ファースト・ガンダムからGのレコンギスタまで、主人公が乗るガンダムは
好きな人から見ればどれもデザインが違う。当たり前だが。
しかし、素人から見れば、あまり見分けがつかない。
ずらりと歴代のガンダムを並べて、どれがストライクガンダムでしょうか、
と質問しても、たいていの人は答えられないだろう。
そもそも、ガンダムをガンダムたらしめているものは何か? という問いは、
Zガンダムをデザインした人からずっと追求されてきたものではなかろうか。
私はツイッターで、ガンダムっぽい宇宙人の絵を見て、なるほど、
とうなってしまった。
どこまでがガンダムで、どこからがガンダムではないのか。
その境界線を考えさせられるイラストである。
(ところで、これの元になった宇宙人はザラブ星人だろうか?)