ジブリの教科書1 風の谷のナウシカ

宮崎駿の全作品のなかで、最も深いものはどれか、と尋ねられたら、
私はマンガ版の「風の谷のナウシカ」と答えるだろう。


なぜなら、映画は2時間前後の限られた時間の中で物語を完結させ
なければならないが、マンガはそのような制約がないからだ。


何度かの中断を挟んで物語をひとまず終わらせたのは、連載開始
から12年後だった。
その深みがマンガ版「風の谷のナウシカ」にはある。



この本では、様々な人が「風の谷のナウシカ」について語っているが、
一番読み応えがあったのは、映画版とマンガ版を比較している立花隆
内田樹のものだった。


映画版とマンガ版の奇妙なねじれを解題しているので、興味のある人は
そこだけでも読んでいただきたい。


それに比べると「機動戦士ガンダム」のアニメ版とマンガ版は、ほぼ
同じものだけれど、アニメ版は富野由悠季が監督で、マンガ版は安彦
良和が描いている、というねじれがある。
これも誰かが解題してくれたらうれしい。



ひさしぶりに「風の谷のナウシカ」を見ようと思ったのだが、DVDは
持っておらず、マンガも奥の方に入ったままなので見られず、ならば
せめてメインテーマだけでも聴こうと思って YouTube を漁った。


で、久石譲が自分でオーケストラを指揮している映像を見つけた。

なんか映画で使われたのと微妙にメロディが違うような気がする。
第一主題が終わった次のところだ。映像でいうと1分40秒あたり。
私の気のせいだろうか。