ちょっと興味があってアニメ「ブラザーズコンフリクト」を見た。
オタク女性向けの作品で、いわゆるハーレムものである。
父親の再婚によって異母兄弟が14人でき、彼らと一緒に生活する、
という設定だ。
その14人に、おそらくオタク女子の欲望が分散されているはずで、
医師、弁護士、アイドル、声優、作家、美容師、サラリーマンと
よりどりみどりだ(なぜか僧侶もいる)。
男性向けのハーレムものは、職業がこれほどバラエティに富んで
いることはない。それよりも属性が重視される。
あるいは、職業はコスプレ的な制服で表現されている。
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おそらく男性の欲望はエロスにあり、女性の欲望は変身なのだろう。
魔法少女ものだと、自ら変身していろんな職業を体験できるが、さすが
にそれだとリアリティがないので、相手の男性の職業を通して変化する
自分を楽しむのだ。
このワンクッション置いて受け身になるところが、女性向けだと思う。
現実でも、つきあっている男性の地位によって自分の地位が上下する、
ということがあるが、逆に女性の地位によって自分の地位が上下する
男性というのはあまり聞いたことがない。
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もうひとつ気がついたことがある。
それは主人公の女子高生だけに言葉が通じるリスがいることだ。
魔法少女もののマスコット的キャラクターともいえるが、実はこれは
全く恋愛対象ではない男性の象徴である。
リスなので、人間のような能力は全く期待していないけれども、寂しい
ときには必ず慰めてくれる存在。しかも下心ゼロ。
男性向けのハーレムものに、このようなキャラクターはいない。
(逆に、気の置けない友達が必ず登場する)
男性向けハーレムものは、性的な対象以外は排除されているのに対し、
女性向けハーレムものは、性的な対象以外はマスコット化されている。
そういう世界観である。
つまり“※ただしイケメンに限る”というやつだ。
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ところで、男性向けでは、誰か一人を選ぶ、という圧がわりと高いのに
対して、女性向けではどうなのだろうか?
私の予想では、あまり高くないような気がする。