数学のことはさっぱり分からないけれど、面白かった。
素数の現れ方に何らかの法則性があるのか、という疑問から発し、
それが様々な物理現象の数式と一致する、という話はエキサイテ
ィングだった。
数学には、まだ誰にも証明できない問題があって、クレイ社がミ
レニアム問題として100万ドルの懸賞金を出している。
不思議なのは、ポアンカレ予想とかリーマン予想などの、「予想」
である。
私の勘ではこうなるはずなのだが、誰か証明してくれない? と
いうことだが、人間の脳は自分でも証明できないけれども、なん
となく正しいであろう、ということが直感できるのだ。
なんでこんな「予想」ができるのか。
脳科学の専門家でも分からないかもしれない。
だが、予想というのは、問題が発生したのと同時に生まれるはず
である。
何らかの疑問がふっと浮かんだとき、何らかの結論も何パターン
か現れる。それが脳の仕組みなのだろう。
将棋やチェスの達人は、それを瞬間的に処理して、最善手を打つ
のだと思う。
逆にいえば、問題すら生じてない何かは、予想も生まれないとい
うことで、私たちの世界はまだまだ問題にすらなっていない問題
に満ち溢れているのかもしれない。