Boaz2012-07-14

プロ野球選手だった人が、よく「野球界」とか「野球人」という言葉を
使う。
『これからは野球界全体が盛り上がるように貢献したい』とか
『ひとりの野球人として恥ずかしくない生き方をしたい』とか。


前から引っかかっていたのだが、これ、ほかのスポーツ選手も同じよう
なことを言うのだろうか? 
寡聞にして、サッカー選手が「サッカー界」とか「サッカー人」などと
言っているのを聞いたことがない。


この言葉の裏にある考え方は、日本のプロ野球は特別なもので、そこで
活躍した人間はそれ以外の人間とは違うのだよ、というものだ。
これを朝日新聞風に展開すると、ムラ社会に通じる言葉であり、ひいて
原子力ムラと同じ構造である、と張り切っちゃうだろう。


だが、プロ野球選手で長年レギュラーで活躍できる人というのは、特別
な人間である。そして多くの選手は少年時代から野球漬けの生活しか
していない。
そんな人たちが「野球人」という言葉を何のためらいもなく口にするの
は不思議でも何でもない。


それに、プロ野球の興行を仕切っているのは選手ではなく親会社の
オッサンであり、ほとんどは野球に関して素人である。
ましてコミッショナーに於いてをや。


希望的推測だが、メジャーリーグで活躍した日本のプロ野球選手たちは、
「野球界」とか「野球人」という言葉をほとんど使ってないのではないか。
確かめたわけではないが。


世界に対してオープンな競技ほど、そういうワーディングを嫌うのでは
ないか、と思ったりするのです。