Boaz2012-07-15

松山市の隣に東温市(とうおんし)というところがあり、そこに
“さくらの湯”という温泉施設がある。
いいお湯なので、月に一度ぐらい通っている。


先日、そこの洗い場に全身刺青の男がいた。
入り口には「いれずみを入れた人や泥酔している人はお断り」と
大きく書いてある。


しかし、風呂場にいる人は誰も彼に声をかけなかったし、掃除に
きた従業員のおばちゃんも無視していた。


私たちは何事もなく風呂からあがり、さくらの湯をあとにした。
刺青の男に何かされたというわけではない。


もし私に勇気と正義感があれば、直接は無理でもフロントの人に
注意を促すようにクレームをつけるだろう。
しかし何もできなかった。
報復されるのが怖かったからである。


私は卑怯で言い訳ばかりしている情けないオッサンだ。
そして、私と同じように黙っていた人たちも、やはり卑怯者の誹り
を免れないだろう。


いじめが行われている空間も、同じ原理が支配している。
暴力をちらつかせながら圧力をかけてくる奴らは、今日も楽しく
過ごしている。
私はそれに加担しているのである。