日本人の叡智

日本人の叡智 (新潮新書)

歴史に埋もれた人のことばを集めて編集した、いわば名言集である。
見開き2ページでひとりを紹介しているが、それぞれの人物の人生が
濃いので、興味をひかれた人については、もっと知りたくなる。

いわば、偉人伝の千本ノックのようなもので、次から次へと打ち出
されることばを拾っていくうちに、なんとなく心が元気になってい
くような気がする。

歴史に埋もれたといっても、半分ぐらいは有名な人なので、巻末の
索引を見て、その人のページをめくるのもいいだろう。
参考文献も載っているので、さらに詳しく知る手掛かりもある。

それにしても、偉大な人というのはみんな血を吐くような努力をし
ているのだなぁ、と当たり前なことを思う。
普通の人はそれができないから普通のまま終わるわけで、私なんか
は、そのスイッチがどのように入るのかが不思議である。

ところで、著者の磯田道史は司馬遼太郎をどのように評価している
のだろうか。この本の隠し味は、それなのではないかと思うのだが。