空気人形

映画の日なので何を見ようかと迷っていたが、これにした。
良い作品だった。
空気人形を演じたペ・ドゥナは美しかった。


これは、いろんなことが言える映画で、愛とか心と身体の関係とか孤独とか、
見る人の数だけ何か引っかかるものがあると思う。


私の場合は、板尾創路だった。


ごっつええ感じ」のときから知っている芸人だけれど、役者としても重宝
されている。
なんというか、違和感がある人を演じさせるとピカイチである。


違和感というのは、ここにいたらおかしい人だとか、常識外れなことをして
いるのに普通の生活をしているとか、そういう人物を演じるときににじみ出
る何かである。


この映画では、ダッチワイフと生活するファミレスの従業員の役で、ひとり
で人形に話しかけたりするところは、ホラー映画のようである。
一線を越えているのに、淡々とした感じを与えるところが怖い。


もうひとつは、監督の趣味なのだろうか、ペ・ドゥナの脚がよかった。
全裸でおっぱいも見られるのだけれど、脚の方が印象に残った。
というのも、彼女はどういうわけか短いスカートしかはかないからだ。
素晴らしい脚線美だった。


レンタルビデオ店の店員があんないい部屋に住めるのか、とか、空気人形が
大人の男をゴミ袋に入れて外に運ぶことができるのか、とか、気になるとこ
ろはあったのだけれど、これは寓話なので、そういう突っ込みは野暮である。


前に「バケルくん」の感想を書いたけれど、まさにこれは人形と心の話で、
F先生にぜひご覧いただきたかった佳作である。