ニッポンの評判

ニッポンの評判―世界17カ国最新レポート (新潮新書)

ニッポンの評判―世界17カ国最新レポート (新潮新書)

世界各地に住んでいる日本人が、現地での日本や日本人の評価について
書いたものをまとめている、なかなか面白い本だった。


日本をバッシングする場合も、この本のように日本を褒める場合も、結局
は他の国と比較しないと語れない、という話をこのあいだ内田樹のブロ
グで読んだけれど、まさにその典型だ。


17カ国からのレポートは玉石混交だったので、面白いものをピックアップ
して感想を書いてみる。


ブラジル
聖闘士星矢」がブラジルの子供たちを熱狂させていたらしい。
やはり日本についてはアニメから入るのが一番なのかもしれぬ。


マレーシア
寿司が好きなのだそうだが、刺身は魚臭くて食べられない人が多いとか。
人気のネタは玉子。いいのか、それで。
あと、日本のアダルトビデオが大人気らしい。
これは東南アジアだけでなく、米国でもそうなのだそうだ。


フィンランド
この場合は、フィンランドから日本に仕事に来た人たちの話が中心にな
っている。

 その第一弾が「独り言」である。彼は、道行く人が腕時計を覗いて「お、
やべぇ!」と言って駆け出す様子をあごで指した。「あれだ。ああやって、
日本人はところ構わず独り言を言う」と眉をひそめる。「フィンランド
は、ああいうのは精神科医の助けを要する人の行為だ」と気味悪がる。

余計なお世話だが、たしかに独り言を言う日本人は多いような気がする。


オーストリア
音楽の都ウィーンは、実は人種差別の街でもあった。
国立歌劇場の総監督イアン・ホレンダーは日本人が大嫌いなのだそうだ。
こんなクソ野郎の作る音楽は聴きたくないものだ。


英国

(日本語の授業で)正しいのは英国式だと信じて疑わない。「そんな文法
構造はありえない。私が言語はどうあるべきかを教えてあげるから、私の
言う通りに日本語を改めなさい」と言って譲らない人もいた。

‥‥こういう自信がないと植民地経営なんかできないのかもしれぬ。


中国や韓国からのレポートがない理由は、ここに書くまでもない。
でも、せめて台湾からのレポートは入れてほしかった。
あと、ロシアも。


この本で触れられていた、日本のアダルトビデオの世界的な広がりと
その影響については、誰か一冊の本にしたら面白いのではなかろうか。
クールジャパンの表の顔がアニメやマンガなら、裏の顔はAVなのか
もしれない。