ハゲとビキニとサンバの国

ハゲとビキニとサンバの国―ブラジル邪推紀行 (新潮新書)

ハゲとビキニとサンバの国―ブラジル邪推紀行 (新潮新書)

井上章一がブラジルに短期滞在した印象を一冊にまとめた本で、期待を
裏切らず面白かった。


私も94年に一週間ばかりブラジルを旅行したことがあり、そのときの思
い出と重ね合わせて読んだ。


例えば、イパネマの海岸へ行くとき、きっと若いビキニの女の子がたく
さんいるに違いないと思っていると、現実には太ったおばさんばっかり
だった、とあって、これはそのとおりだったな、と。


付け加えるなら、太ったおっさんがジョギングをしており、たいていは
米国人であった。


では、若い子はどこにいるかというと、もっと高級なリゾートビーチで
キャッキャしているらしい。
ブラジルは階層社会なので、若くて美しい娘たちはお金持ちがいるとこ
ろに集中するのだ。


もうひとつ、ブラジルではボサノヴァがあまり聴かれていない、という
のも残念ながら事実で、日本人の方が好きなんじゃないか、という気が
する。


私はジョアン・ジルベルトが大好きだが、ブラジル人はこのボサノヴァ
の神様を、わがままで面倒くさい人、と思っている人が多いらしい。
実際、彼は奇人として有名だが、音楽家としては天才であろう。


現在のブラジル人の若者たちは、米国の音楽やブラジルのロックやラッ
プに夢中らしく、ボサノヴァは観光客向けの音楽としか思ってないよう
だ。残念である。


お金があれば、またブラジルに行ってみたい。
そしてシュラスコをたらふく食って、のんびりビールを飲みながらボサ
ノヴァを聴きたいものだ。


ジョアン・ジルベルトジェット機のサンバ」

ポルトガル語ではリオデジャネイロをヒウヂジャネイロと発音するのよ