今日は久しぶりにおでんを作った。
私は魚介系の練り物が嫌いだが、出汁をとるために数個入れた。
あとは大根とがんもどきと厚揚げと焼き豆腐とちくわぶと牛すじをひたすら煮込むのである。
以前、ちくわぶが大好きだと書いたことがあったが、これは東京で覚えた味だ。
最初は得体が知れなくて手が出なかった。
首都圏のコンビニでは普通に売っているが、西日本には売っていない。ましてや四国には。
もう、あのモチモチしたちくわぶを食べられないのかと思っていたら、スーパーで売って
いたので感激した。
どのくらい需要があるのか分からないけれど、転勤族が買うのかもしれない。
地元の人は、まず売っていることすら知らないだろう。
そもそも、おでん自体、うちの食卓には出なかったような気がする。
いや、出たのかもしれないが、ほとんど記憶にない。
松山のおでんは、からし味噌をつけて食べるのが一般的だ。
うどん屋や飲み屋の近くのラーメン屋に行くと、たいてい片隅におでんが用意してあり、
客はセルフで取る。
香川県のうどん屋も、おでんを置いてあるところが多い。
こういうシステムも、自分が外食をするようになって知ったから、子供の頃はおでんがポ
ピュラーなものだとは知らなかった。
ちょうどギャートルズの肉のように、マンガの中でしか出てこない食べ物だと思っていた。
だから、“チビ太のおでん”も、記号として見ていたので、あの△○□がそれぞれコンニャ
ク・がんもどき・なると巻きだ、なんてことは最近知ったぐらいだ。
もしかしたら、コンビニで全国的におでんが販売されるようになったことが、おでんの認
知度を上げていったのではなかろうか。
コンビニのおでんは、地域によって出汁の味からネタまで細かく分けているそうだが、そ
もそもコンビニで売られるおでんがなければ、私たちはどこでおでんを手に入れていたの
だろう?
Wikipedia を読むと、かつては屋台のおでん屋や、駄菓子屋や食堂で売られていた、とあ
るが、私が生まれ育った松山では、子供がちょっと買うようなものではなかったような気
がする。
(静岡では、今も駄菓子屋でおでんが売られているのをテレビで見たことがある)
むしろ、たこ焼きとかお好み焼き的なものがポピュラーな地域では、おでんはそれほど人
気がなかったと考えるのが妥当ではなかろうか。
海外でもおでんは売られているらしく、やはりコンビニが拠点になっているようだ。
私が台湾のコンビニに入ったときは、おでんではなく煮卵が売られていたけれど、今はお
でんがすっかりポピュラーになっているのかもしれない。
そしたら、おでん以外にも、それこそたこ焼きとかお好み焼きも、海外のコンビニで売り
出せば、きっと人気が出るに違いない。
いや、商魂たくましいコンビニ業界は、すでに売り出しているのかもしれぬ。