カセットテープ

世界中で最も普及している録音メディアは、もしかしたらカセットテープではないか。
日本でもまだ使っている人はいるだろうし、途上国ではバリバリ現役だと思う。


同僚のオーディオマニアの人に聞いた話だと、カセットテープの本来の実力はかなりすごいのだ
そうだ。本格的な装置で再生すると、こんないい音がするのか、というぐらいのポテンシャルを
持っているらしい。


ちょうど、普通の乗用車を普通の人が運転して、まあこんなもんだろう、と思うのと、同じ乗用
車をラリードライバーが運転して、その車体の限界性能まで引き出すのと同じことだろうか。


しかし、いつかはカセットテープの命運も尽きるときがくるはずだ。
そのとき、たとえば途上国の人はどんなメディアで音楽を聞いたり、話を録音したりするのだろ
うか? 


フィルムを使うカメラが長い間主流だったが、あっという間にデジカメに変わってしまった。
アフリカのどこかの国では、そもそもフィルムを使うカメラの時期を経ずしてデジカメが入って
きたらしく、フィルムの存在自体を知らないのだそうだ。


ということは、同じようにCDとかMDの存在を知らずに、iPod を使うような人が出現するかもし
れない。
ただ、音楽の情報だけをダウンロードするようになるには、インターネットやパソコンなどの
インフラが必要だから、やはり途上国では無理かもしれない。


今日もどこかでカセットテープは生産されているはずである。
私はカセットテープを発明した人の名前すら知らないけれど、その人は技術者として偉大だった
のではないかと思う。