プリンターのインク

私自身は年賀状を全く出さないのだが、父親の年賀状を一手に引き受けてパソコンで印刷して
いる。住所録管理からデザインまでやっており、未年から数えて子年で6年目になる。


年賀ハガキを印刷するには、プリンターがなければならない。
私はモーニング娘。松浦亜弥が出演していた当時の、エプソンのプリンターを買って、いま
も使っている。スキャナーもついているし、割とお買い得だったと思う。


ところが、本体価格は確か15000円ぐらいだったはずなのだが、プリンターのインクは4色入り
パックで3600円ぐらいする。もう何本買ったか分からない。
恐らく、すでに本体価格を上回っているだろう。


これは携帯電話と同じ商売なんだな、と気がついたものの後の祭りである。
本体を安くバラ撒いておき、維持費用で儲けようという魂胆だ。まったく腹が立つ。


そういえば、インクカートリッジは純正品でなければ動作保証はしないよ、という話だったが、
詰め替え用インクは売られており、たしか裁判沙汰になったのではなかったか。


こういう、いわばぼったくりの商売に、低価格で品質の良い競争者が現れると、既得権を持った
奴らは苦々しい思いでニューカマーを潰しにかかる。
なかなか美しい資本主義である。


家庭用のインジェットプリンターの用途の半分以上は、年賀状印刷であろう。
いわば年間でピンポイントに使われるにすぎない。
そのため、一年を通じてインクカートリッジがコンスタントに売れることはないのかもしれない。


だからといって、高いものを買わせなくてもよさそうなものだが、このあたりは公正取引委員会
なども特に問題視していないようだ。
他に選択肢がないときは、ガマンしなさいということか。


しかし、こういう囲い込み戦略は、長い目で見た場合、あまり得をしないのではないか? 
互換性のないものを作っても、たいていはあまり普及せずに潰れてしまうことを、私たちはよく
知っている。


もはやそういうビジネスモデルは古くなったにもかかわらず、インクカートリッジは旧態依然と
しているのではなかろうか。
せめて半額にするとか、エプソンキヤノンのどちらにでも使えるようなカートリッジにすると
か、ユーザーにやさしい商売をしてほしいものであるよ。