グラビアアイドル分

イランだったかイラクだったか忘れたが、戒律の厳しいイスラム圏では、水着の女性を見に行く
バスツアーというのがあったらしい。
青年が大挙してバスに乗り込み、ヨーロッパの海岸とかホテルのプールへ行って、食い入るよう
に半裸の女を見るのだそうだ。


日本では空気を吸うようにビキニの若い女の写真が見られる。ありがたいことである。
ほとんど当たり前のようになっているが、これってここ30年ぐらいのことだろう。


あずまんが大王」というマンガに「シュークリーム分」という有名な台詞がある。
水分とか塩分と同様に、人体に必須な栄養素としてシュークリームが必要だ、というギャグだ。
これと同じく、もはや私たちオスにとって、グラビアアイドル分は必須なのではなかろうか。


もし、何らかの理由で若い女性の画像が全て禁止されたとしよう。
しばらくは我慢できるかもしれないが、やがて猛烈な飢餓感に襲われるはずだ。
たぶん彼女や妻がいるいないに関係なく、ピチピチのギャルの水着写真を見たくなると思う。


そういうものには一切興味がない、という人もいるかもしれない。
しかし、生まれてからこれまでに一度も目にしたことがないはずはなく、日常のどこかでグラビ
アアイドル分を知らず知らずのうちに補給しているのではないか。
たとえ一瞬で忘れてしまうにしても、脳はグラビアアイドル分を必要としているような気がする。


では、なぜこれほどまで水着のお姐ちゃんが巷にあふれているのだろう? 


私は、戦意高揚のためではないかと思う。
映画「地獄の黙示録」に、プレイメイトベトナムに慰問に行くシーンがある。
兵隊たちは、隙あらば強姦しそうな勢いでプレイメイトたちを出迎えるのだが、なんでわざわざ
そういうことを企画したかというと、現場を元気づけるためである。


グラビアアイドルが掲載される雑誌は、ヤングマガジンヤングジャンプなどのマンガ雑誌か、
週刊プレイボーイのような男性誌であろう。
アイドルおたくはともかく、フツーの人が目にするのは、やはりマンガ雑誌男性誌に登場する
女の子たちだろうと思う。
そういうのをチラ見して、オッサンたちは仕事の現場に戻っていくわけである。


当たり前だが、グラビアの写真はあくまでも写真の中だけの世界である。
現実に目の前の女の子が同じようなポーズをとったからといって、同じ視覚が得られるわけでは
ない。
なんだか、江戸時代の春画のような話になってきたなぁ。


ともかく、グラビアはポルノグラフィであるとともに、カンフル剤のようなものでもある、とい
うことが言いたかった。
日本はグラビアアイドルを大量に消費しているので、ある意味では天国だが、そこまで刺激しな
いと元気にならないほど男が弱っている国なのかもしれない。


本文と写真はまったく関係ありません