寿ぎ

谷川俊太郎の詩を引用して、本日はおしまい。
次の詩は、ちょっと早いけど4歳の子どものことを書いたもの。


子どもは駈ける


 もう忘れてしまった
 くちのまわりに御飯粒をくっつけたきみ
 拳闘選手みたいに手を前へつき出して
 はじめて歩きはじめたきみ
 昨日のきみを
 私はもう忘れてしまった


 それはきみが私に
 思い出をもつことを許さないから
 きみがいつも今を全力で生き
 決して昨日をふり返ろうとしないから
 きみは日々に新しく
 きみは明日を考えずに
 私よりも一足先に明日へ踏みこむ
 いっしょに散歩するときも
 きみはきまって私の先を駈けてゆく
 その後姿が四つになったきみのイメージ


これは教科書にも載ってるし、ネスカフェのCMでも使われている詩なので、
かなり手垢がついた感じもするけど、希望に満ちたイメージなので載せる。


朝のリレー
 

 カムチャツカの若者が
 きりんの夢を見ているとき
 メキシコの娘は
 朝もやの中でバスを待っている
 ニューヨークの少女が
 ほほえみながら寝返りをうつとき
 ローマの少年は
 柱頭を染める朝陽にウィンクする
 この地球では
 いつもどこかで朝がはじまっている


 ぼくらは朝をリレーするのだ
 経度から経度へと
 そうしていわば交替で地球を守る
 眠る前のひととき耳をすますと
 どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
 それはあなたの送った朝を
 誰かがしっかりとうけとめてた証拠なのだ


最後は「ドラえもん」から、しずかちゃんの結婚前夜の話。
お父さんの語りがしみじみと心に沁みる。



‥‥まったく自分の言葉でお祝いを言えてないのが情けないのだが、私は中味が
空っぽなのだからしょうがない。
ともかく、皆さんが幸せになることを祈っております。