岡村靖幸

家庭教師

家庭教師

山下達郎の「Sunday Song Book」を聴いてたら、岡村靖幸の“バスケットボール”が
かかった。サンソンで岡村靖幸がかかったのは、もしかしたら初めて? 


なんでも、岡村靖幸山下達郎からSEの音源を借りたところ、後から丁寧な礼状と
菓子折りが届いたとのことで、非常に礼儀正しい人だ、と語られていた。
そうか、そういう人だったのか。
麻薬なんかに手を出さなければよかったのに。


岡村靖幸の最高傑作が「家庭教師」であることは、衆目の一致するところだと思う。
かつて、レコード会社の人に、山下達郎スティーヴィー・ワンダー、プリンスを
頂点とする三角形を書き、この三角形の真ん中にいるのが僕、と説明した人である。
確かに、プリンスのスタイルに非常に影響されていた。


岡村靖幸とプリンスは、90年代になって失速してしまった感があるが、何故なのか
よく分からない。
猥雑さと真面目さが入り混じった、非常にきれいなメロディを作る人だったのだが。
聴く人に、一種の閉鎖的な感覚を抱かせるせいかもしれない。
時代はもっとユルい音楽に流れたのかな。
よく分かんないや。


もしかしたら、性がまだカジュアルではなかった時代の最後に、ギリギリまでエロさ
に挑戦していたからこそ、「家庭教師」は素晴らしかったのかもしれない。
私は、岡村靖幸は純愛を唄う人だったと思うのだが、恋愛・結婚・セックスの三位
一体が分離してしまった時代には、クリエイティヴなテンションを高められなかった
のだろうか。


それでも、一曲目の「どぉなっちゃってんだよ」や三曲目の「(E)na」のぶっ飛ばし
方はいま聴いても素晴らしく、ラストのバラード「ペンション」の粘っこい歌声は
鳥肌ものだ。
これで才能が枯渇したのだとしたら、あまりに早い。
マンガ家でいうと「お天気お姉さん」が終わった後の安達哲みたいなものか。

お天気お姉さん 1 (プラチナコミックス)

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彼のようなスタイルは、ワン・アンド・オンリーだったのか、その後のミュージシャン
で同じようなタイプの人はブレイクしなかった(プリンスも同様)。
男でエロかっこいいのはダメなのかな? 
倖田來未の男版というと、TMの西川くんみたいになるのかも。


関係ないが、メロン記念日の曲で、かなり岡村靖幸っぽいのがあるのを最近知った。
「さあ!恋人になろう」だったかな? 
つんく♂のオッサンも、けっこう岡村靖幸が好きだったのかも。


ついでと言ってはアレですが、岡村靖幸がプロデュースした川本真琴のファースト
アルバムもいいですよ。

川本真琴

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