拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)
- 作者: 関岡英之
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/04/20
- メディア: 新書
- 購入: 20人 クリック: 184回
- この商品を含むブログ (165件) を見る
内容は、いかに英米(アングロサクソン)が自分の都合のいいように世界を振り回して
いるかを検証しているものだ。
だが、この本のキモは、米国の「年次改革要望書」を取り上げたことだ。
私は初めて知ったのだが、米国は日本に対して、米国のビジネスだけが
有利に展開するよう、実に細かい要求を出し、日本はそれに唯々諾々と
従っているのだ。
しかも、米国はその内容を隠そうともせず、日本大使館のサイトでわざわざ和訳して
公表している。ここで確認できるので、ぜひ見て欲しい。
建前では、日米相互に要求を出していくことになっているのだが、日本からの要望が米国で
達成されたことは一度もあるまい。
つまり、日本は独立国という建前だが、実は米国の属州だったのである。
しかし、これは少しでも日米関係を調べた人なら周知の事実だったのではないかとも
思える。特に政治にタッチしている人にとっては。
米国のあからさまな内政干渉に対して、義憤がわきおこることは当然だ。
だが、日本は米国に対して何ができようか?
軍事力はもとより、国力が違いすぎるため、総力戦になれば確実に負ける。
諦めて、じっと耐え続けるしかないのではないか。
米国がジャイアンなら、日本はスネ夫に徹するしかない。
政治家たちは、このように思っているのではないか。
むしろ、米国に尻尾を振る、ぐらいの態度を見せておいた方がいい。それが日本の国益に
なるのだ、という開き直りすら感じる。
分からなくはないが、面白くない。
ただ、カッとなって不健全なナショナリズムを高めてしまうことは愚かだろう。
それよりも、いかに米国の裏をかくかということに知恵を絞った方がいい。
米国に限らず、中国に対してもそうありたいが、最悪のシナリオは、米国と中国が
手を結んで、日本を経済的に攻撃することだ。
残念ながら、日本の外交は、あまりにも稚拙である。
いっそのこと、指定暴力団の山口組や住吉会の若頭をスカウトして、外交の交渉に
立たせてみてもいいのではないかとさえ思える。
理不尽な要求をするヤクザに対しては、こちらもヤクザを当てるしかなかろう。