平日のレイトショーで観客は4人。
いや、この作品はもっと観客が押し寄せるべきもの
だろう。
原作は未読だが、良い映画だったと思う。
寓話というかおとぎ話というか、いろんな解釈ができる
間口を持っている。
折しもロシアがウクライナを侵略しており、戦争とは
何ぞや、という内容にもなっている。
ヒロインの造形がぽっちゃり型なので、萌えアニメの
観客からは人気がないのかもしれないが、ポリコレ的な
映画ではなく、むしろ萌えアニメの文脈で作られている
と思う。
イケメンの左大臣の意外な政治力や、アサシン部隊の
ライララのキャラクターがいい。
木村昴演じる学者がマッチョなのも面白かった。
不満だったのは、サーラと族長の飲み比べの場面が
省略されていたことと、右大臣ピリパッパが何の
お咎めもなかったことだ。
あと、王様の頭痛をどうやって解消したのかも、
分かりやすく見せてほしかった。
それぞれの架空の国の設定描写は素晴らしくて、
背景美術ががんばっていたと思う。
あと、物語の発端を担う子犬と子猫の描写も可愛い。
ラストシーンでちゃんと大きくなっているのもいい。
こういう良作が埋もれてしまうのは悲しいのだが、
配信などの別のルートからヒットしてほしいものだ。