志村けんが亡くなった。
大勢の人が悲しみを共有しているが、私はその中に入ることが
できない。
というのも、私は子供のころに「8時だョ!全員集合」を見て
いないからである。
当時の愛媛県はTBS系が放送されていなかったし、俗悪番組として
家庭で視聴するのを禁止するところもあった。
うちは子供がバラエティ番組を見るとバカになると信じていたせいで、
小学生のときはほぼ視聴を禁じられていた(アニメは見ることができた)。
大学生で上京してからは、すでにドリフターズは人気が下降しており、
小生意気なことを考えるようになっていたので、新しい笑いの方に
興味が向いていた。
大人になってから志村けんの芸を見ると、改めてその凄さが分かるの
だが、それは後付の感動にすぎない。
志村けんの笑いは小学生のときに見ておかないと、本当には分からない
のではなかろうか。
なので、芸能史に残る偉大なコメディアンで、多くの人が喪失感を持って
いるはずなのだが、私はその悲しみを分かち合うことができないのである。