変節と愛国

変節と愛国 外交官・牛場信彦の生涯 (文春新書)

変節と愛国 外交官・牛場信彦の生涯 (文春新書)

ちょっと期待したのだが、読売新聞の記者が都合の良い話をつまんで
書いたヨイショ評伝だったのでがっかりした。


その背後に見えるのは、戦中とあまり変わらない外務省の体質である。
たぶん日中戦争から対米開戦に至る外交の失敗を、あまり反省しておらず、
いまや米軍の下請けのようになっている有様だ。



東芝をはじめとする民間企業の経営者の劣化とパラレルに、高級官僚の
劣化も進んでいるのではないか。
その原因はまさに戦後教育にあるのでは、と思ってしまう。


自虐史観とか反日教育とか言う前に、誰も責任をとらない人ばかりに
なったのはなぜなのかを考えるべきだろう。
メスを入れるべきなのは公立の教育ではなく、大都市の私立中高一貫校
ではなかろうか。