自民党右派の政治家や官僚たちは、田中角栄の失脚以来、米国のことを地震か
台風のように人間の力では制御できないものと思っているのではないか。
米国のことを、まるで最初からそこにある自然のように考えているような
気がする。
だから彼らは媚中派という言葉を使うが、媚米派という言葉は思いつきもしない。
米国のコントロール下にあることを無意識に追いやっているからだ。
たしかに米国は覇権国家であり、日本が逆らうと報復する。
それでも、地震や台風のような自然現象ではなく、新興国家のひとつにすぎない。
もし、自民党右派が戦前の気概を持てと言うなら、彼らこそもう一度真珠湾攻撃を
するぐらいの度胸を持つべきだろう。
私はなにも、再び無謀な戦争に挑むべきだ、と言っているわけではない。
外交で米国や中国を揺さぶれ、と言っている。
一番手っ取り早いのは、北朝鮮やイランのように、うちでも核兵器を作りまーす、と
宣言することである。
やめろというなら、何か見返りを出してくださいね、と揺さぶるのだ。
もっとも、こんなことをすると国際的な信用はガタ落ちである。
経済制裁を受けて石油が入ってこなくなるだろう。
なので、どの政治家も最初からこのオプションは捨てる。
それでも、米国からの本当の独立を勝ち取るために知恵を絞らなければならない。
トランプみたいなアホ候補が大人気の国に、顎で使われてはいかんのである。
たとえ100年ぐらいかかっても、米国人を少し知的にする努力が必要であろう。
少数の天才と大多数のバカの国ではなく、普通の人が多くなる国にしなければ
なるまい(これは中国もそうだが)。