Boaz2015-07-06

アニメ「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」第1話を見た。
人にお薦めするほどすごい作品ではないのだが、ちょっと楽しみである。
以下はチラシの裏



法律によって日本から性的な言葉が奪われ、国民は性的な言葉を検知する
首輪をはめられている、という設定だ。


アニメは明るく楽しい雰囲気だが、これは言論の自由が失われ、国民が政府に
管理されたディストピアである。
言葉狩りに反発する高校生たちを描いた物語のようだが、本当なら大人が反政府
運動をするような話だと思う。



もし、青少年から性的なものを一切排除した世の中ができたとしたら、その世界に
変態は存在するのだろうか。


人が何をエロいと思って興奮するかは、文化に依存する。
いまの日本の若者だって、グラビアアイドルとかアダルトビデオの性的な文脈に
よって教育されている。


多くの人は、多数派が興奮するものをエロいと思って興奮する。
しかし、それでは興奮しない少数派が必ず出現する。
世間はそれを変態を呼ぶが、はっきりとした境界線があるわけではない。


つまり、変態かどうかは、ある性的な文化の少数派に属しているということであり、
もし性的な文化そのものが失われている場合、そこには多数派も少数派もないことに
なるわけである。



性的な文化が奪われ、若者がクリーンなままでいるとしたら、彼らは原理的にどんな
ものにでも興奮できることになる。
パンチラとかおっぱいがエロいというのは、それがエロいということを学習したから
であり、もしそういう機会がなければ全く興奮しないだろう。


下ネタという概念が存在しない退屈な世界」とは、ポルノのない文明はあり得るのか、
という壮大な思考実験なのかもしれない。