ガルパンの秘密

アニメ「ガールズ&パンツァー」が大ヒットして、劇中の学園艦が寄港する
大洗にファンが訪れるようになった。
(学園艦? と思った人は、ぜひアニメを見てください)


その現象について、アニメの製作陣と大洗の町おこしの人たちに、丁寧な
インタビューをしたのが本書である。


本の中で何度も触れられているのは、ガルパンは町おこしのために製作された
アニメではない、ということだ。
様々な偶然が重なって、ガルパンファンが大洗町を訪れるようになっただけで、
何か成功する秘訣があったわけではない。


ただひとつ言えるのは、面白い作品でなければ、何も始まらない、ということだ。
もちろん視聴者の好みは様々なので、万人に受ける作品というのは難しい。


しかし、ガルパンのように、コアなミリヲタを唸らせ、私のように戦車に関して
素人でも楽しめるようなアニメは、面白い作品と称してもいいのではないか。


ガルパンに興味がなくても、アニメの製作陣がどういうことを考えて、どんな
ふうに仕事をしているのか、とてもよく分かる構成になっているので、ぜひ
読んでいただきたい。


そして、面白い作品というのは、奇跡的なバランスによって生まれるのだなぁ、
ということを感じてくれたら、おそらくこの本のライターの人も報われるのでは
ないだろうか。