ここの対談によれば、「アナと雪の女王」はオッサンが見ても面白くも
なんともない、という。私も同感だ。
氷運びの兄ちゃんはアナの恋人になるわけでもなく、悪い王子は国許に
戻される。男は必要ありませんよ、という結論だ。
オラフはアナとエルサが作った子供、という解釈はなるほどと思う。
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この対談で、ディズニーは女性を抑圧した作品を作ってきたから、
「アナと雪の女王」で解放したのだ、と語られて、宮崎アニメと
対比している。
私が対比させるべきだと思うのは、「けいおん!」などの日常アニメだ。
ほとんどの作品で男性は出てこない。
つまり、最初から男が排除されたアニメを、男が見て喜んでいるのである。
オッサンがアナ雪を見てモヤモヤするのは、一応男のキャラクターが登場し、
それなりの役割を演じているのに、最後は必要なくなるからである。
クリストフに感情移入してきた人は、あれっ? と思うだろう。
(オッサンで最初から最後までアナに感情移入して見ていた人はどれくらい
いるのだろう?)
日常アニメでは、最初からそういう男性キャラが登場しないので、視聴者は
女性キャラの誰かに感情移入しながら見る。
オタクは美少女になりたいのである。
日本は男が少女マンガを読む文化があるから、そういう技が簡単に使える。
もちろん外国にだって、少女に感情移入して読むような文学作品はあるが、
きちんと棲み分けがあるような気がする。
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では、日本のオタク男性が美少女に感情移入しているとき、オタク女性は
どうしているかというと、BLに向かうのだった。
ただ、私は腐女子ではないので、BL作品での解放感がどのくらいなのかは
分からない。
比率的に腐女子でない女性の方が多いだろうから、一般女性がスッキリする
ようなアニメは、ほとんどなかったのかもしれない。
その潜在的な需要にバッチリこたえてくれたのがアナ雪だったのではあるまいか。
ちょうど、オッサンのためのドラマ「半沢直樹」が大ヒットしたように、
これまで無視されてきた層にターゲットを絞ると当たるのかもしれない。
そんなのマーケティングでさんざん考えてるよ、と言うかもしれないが、
大きい鉱脈は意外と目の前にあったりするものですよ。