- 作者: 黒澤和子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/04/21
- メディア: 新書
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次々と放送していた。
面白そうなのをVHSテープに録画しておいたのだが、いまやデッキが壊れて
いるので再生できない。
おそらく、そのとき選んだ作品から洋画と邦画を合わせて100本まとめた
のが本書だろう。
見開きで作品が紹介されていて、数行だけ黒澤明のコメントがある。
それで780円(税抜)はちょっと高くないか、とも思うが、100本の選択
自体に意味があるのだろう。
私も半分ちょっとぐらいしか見てないけれど、どれも外れなしの作品だ。
映画の古典を見たい人は参照したらいいと思う。
↓
ただ、いまの若い人に黒澤明の名前がどのくらい意味を持つのか。
どっかで聞いたことがあるなぁ、ぐらいかもしれない。
たぶん、現在の封切りされた話題の映画は、すぐに見に行くんだろうけど、
昔のしかも白黒作品を好んでレンタルしようとは思わないだろう。
義務教育で、映画について教えているわけでもないし、黒澤明に限らず
1950年代の日本の映画が、若者に見られないのは残念だ。
たぶん若者たちは、昔より今の方が何もかも優れている、と考えている
ような気がする。
いや、若者に限らずオッサンたちもそうかもしれない。
それは新しいものをどんどん消費させていく高度資本主義社会の陥穽
ではなかろうか。
新製品を買おうと言っておきながら、古いものもいいよ、と言うのは
たしかに矛盾している。
古典から普遍性を学ぶことは、個人的にはとても大切だと思う。
理系の人はそれが面倒くさいのだろうけど。