頭の悪い日本語

頭の悪い日本語 (新潮新書)

頭の悪い日本語 (新潮新書)

面白かったけど、尻すぼみになった印象は否めない。
やはり猫猫先生の専門である文学や、趣味の伝統芸能に関する言葉の
解説は素晴らしいけれど、ネット用語などは今ひとつだった。



死亡フラグ】の項目で、女子高生が食パンをくわえながら「遅刻遅刻ゥ」
というのは、むしろ【お約束】と言うべき類型ではなかろうか。
フラグには物語の分岐点という意味が含まれていると思うので。


ちなみに【お約束】は、とんねるず木梨憲武が使って広まった言葉
である。である、と断定できる根拠はないのだが。



【芳紀】の項目で、「弱冠」は二十歳のこと、とあって思い出した。
パソコンで変換するからか、弱冠を若干と間違えている場合が多い。
テレビのテロップなどで「若干◯◯歳」などと出ている。
いまの若い人は、若干名募集という意味が分かるのだろうか。




【ポスト・ホスト】の項目は、たしかにその通りで、英語の発音に
忠実に表記するなら、ビタミンもヴァイタミンとしなければならない。


だが、ラジオはどうだろう。もはやレイディオとは言えまい。
なぜか佐野元春はFM放送の番組を「元春レイディオショー」と名づけて
いるが、ラジオではダサいからか。


ポストで急に思い出した。
知人に「うちのポストに入っていたハガキが」と話をしていたら、
「郵便受けね」と訂正された。なんか悔しかったのでいまだに憶えている。


しかし、英語圏では郵便物を投函する箱を post 、郵便物を受け取る箱を
mail box と厳密に区別しているのだろうか。
どっちもポゥストで通じるような気がするのだが。


いやまてよ、どちらの場合も、郵便物を投函する人にとっては post で、
受け取る人の立場だと mail box になるのか。納得。