Boaz2013-02-11

信頼すべき筋から聞いた話だが、マクドナルドの原田泳幸は、
社長というのは下から繰り上がってなるものではなく、経営を
学んだ専門家がやるものだ、と言っていたそうだ。


これは米国型の株主資本主義の典型的な考え方だろう。
お金を出した人たちが経営のプロを雇って利益を上げさせる。
プロ野球のオーナーが監督を使ってチームを強くするのと同じ
ようなものか。
(しかし監督はかつて選手だった人がほとんどだろうから、この
例えはおかしいな)


この経営方式のいいところは、トップダウンで意思決定が素早く
できることだろう。
現場の人間は全体のことを知らなくてもいいし、そもそも理解できる
能力もない、という考え方が背景にある。


欠点は、短期的な視点になりがちである、ということだ。
株主に対して四半期ごとに報告しなければならないので、将来の
利益を食い潰してでも、自分の経営期間は絶好調であるように
見せる。
その後を引き受けた人のことは知ったことではない。


うまくいっているときはカリスマ経営者として持ち上げられるが、
裏目に出たときは叩かれる。そういうプレッシャーに耐えなければ
ならない。
そういう意味では厳しい仕事である。


原田泳幸は、自分が言うとおりプロの経営者なのだから、失敗の
責任を取らなくてはならない。
減収減益で株価が下がれば、次の経営者と交代するだけである。
その覚悟は最初からあるのだろう。
マクドナルドがどう生まれ変わるのか、今から楽しみだ。