運動部の体罰が問題になっているが、文化系の部活でも厳しいところが
ある。
それが吹奏楽部だ。
私は中学1年から高校2年まで吹奏楽部にいたが、楽しくないので辞めて
しまった。
というのも、ほとんどの吹奏楽部は夏に開催される全国吹奏楽コンクール
に出場するため、課題曲と自由曲を猛練習するからである。
そして全国大会に何度も出るレベルの学校は、運動部なみの筋トレなどが
あり、指導者によっては体罰もある(いまはないだろうけど)。
私のいた学校はそんなレベルではなかったのだが、顧問の先生が怒って
指揮台を倒したり指揮棒を生徒に投げつけていた。
あまり練習してないから下手くそだったのは事実だが、吹奏楽を好きに
なることはなかった。
吹奏楽では、高校までは楽器を演奏していた人も、それ以降はぱったり
辞めてしまう場合が多い。
だから吹奏楽コンクールでも、大学・社会人部門は出場数が激減する。
なにしろ楽器は高価なので、学校の備品を使えなくなったら自腹で買う
ことも難しいし、大きな音で練習する場所もなかなかないからだろう。
それに加えて、音楽を楽しめなかった子供たちも少なからずいるのでは
ないだろうか。スポーツを辞めてしまう場合とまったく同様に。
プロを目指しているならともかく、音楽やスポーツは、もっとゆるい感じで
一生楽しむものだろう。
それを学生時代に消耗させてどうするのか。
勝利至上主義者たちは近視眼的なので、自分たちがアマチュア層を
削っていることに気がつかない。
その裾野の狭さがトップのレベルの低さにつながっているのだろう。