アニメ「氷菓」の“クドリャフカの順番”を見た。
切ない話だった。才能の有無というのは、高校生にとって残酷だ。
陸山はマンガの才能がありまくりだが、本人はマンガを描くつもりも
なく、将来マンガ家になる気もない。
一方、田名部は、あまり才能はないがマンガが大好きである。
頭のいい人は、実際なんでもできるもので、もし財務省事務次官に
なれるような頭脳の持ち主が、アートやサブカル系の仕事をしたと
すれば、時代を画するものができるのかもしれない。
実際はセンスとやる気の問題なので、地頭がいいからといって成功
するとは限らないけれど。
自分の才能のなさを悔しがる田名部くんや里志くんの立場は、実は
編集者である。
たいていの編集者は、どこかで作者になることに挫折している。
若い時は、自我が危うくなるほどショックだろうが、才能を見抜く
力は残る。
それは立派な能力なんだよ、ということを彼らに伝えたい。