Cutのインタビュー

雑誌Cut6月号を買った。シェリルとランカの表紙で「『劇場版マクロスF
『あの花』『まどか☆マギカ』を観ろ!」とあったらレジに向かうしか
ないでしょう。
(しかし読者層がイマイチよく分からない雑誌だ)


その中に新房昭之のインタビューがあった。
インタビュアーを軽くいなしている感じがして、深い話がとれているわけ
ではないけど、いまのアニメ製作会社の事情というのが垣間見えた。


特に

――オリジナルよりも原作ものが多いのは、そういう理由もあったりするん
ですか?(笑)


「それはね、明確に宣伝材料として、原作もののほうが認知度が高いので企画が
通る、その点に尽きますね。それだけです。それが原作ものっていうこと。
だから、みんなでどんどんどんどん使いすぎてもうない。それでラノベにいって
しまったと。それすらなくなったときはどうするんだっていうね。
もう近いです。石油がないよみたいなことに近いんですから。


 そういう時代の中でオリジナルの、いまでいうと長井(龍雪)さんの『あの花』
とか、『まどか』もそうだけど、オリジナルにもう1回目が向いてもらえるといい
なあっていうふうには思いますけどね。オリジナルの可能性がまた出てくると、
我々としては非常に明るい感じはしますからね」

という部分。


一時期、テレビドラマでもマンガ原作のものが非常に多かった時期があった。
いまもマンガや小説が原作のドラマが多いけど、アニメにしろテレビドラマ
にしろ、面白いオリジナル脚本が書ける人はどのくらいいるんだろう。
養殖は諦めて、天然ものをひたすら待っている状態なのかもしれない。


そもそも論になるけど、面白いものを作れる人にはお金がなく、お金がある人は
何が面白いかが分からない、という状態があって、それをうまくつなげる人のこ
とをプロデューサーと呼ぶ。


私が不思議なのは、なんで面白いものを作れる人はいつまでも貧乏なのだろう、
ということだ。
(広告代理店などが中抜きしているからっていうのは知ってる)


ハリウッドでは、ルーカスやスピルバーグのように、面白いものを作れて、なお
かつ資金もある、という人が登場した。


つまり、面白いものを作れる人が資金を持っていると、プレゼンという面倒くさ
い作業が必要なくなるのである。


プレゼンテーションは何のためにあるかというと、何が面白いかは分からない
けど資金だけは持っている人(=スポンサー)にお金を出してもらうためだ。
スポンサーに判断力があれば、面白い企画がどんどん通るはずである。


そうならないのは、当たり前だが、お金を出す人が損をしたくないからだ。
リスクが高いものは避けて、安全な企画しか通さない。
こうしてヒット作の二番煎じが増える。


だが、面白いものっつーのは、もっとリスキーでわけがわかんないもんじゃ
ねーのか、という話であるが、何千万円が動くビジネスなので、こんな青い
ことを言ってもしょうがないのである。


唯一、青いことを言って大成功したのがエヴァンゲリオンの新劇場版だろう。
ということは、庵野監督は日本のルーカスなのかね?