希代のヒットメーカー 筒美京平

NHKBSプレミアム筒美京平の番組があった。
これには驚いたですよ。だって、世間に姿を見せないのが筒美京平
美学だったわけだから。
(調べると2005年にBSフジの番組に出演している)


洋楽からのパクリだという人もいるけれど、日本の歌謡曲にこれだけ
のヒット曲を提供した事実には、口をつぐまざるを得ないだろう。


もはや歌謡曲というジャンルすらなくなってしまい、時代と歌は細分
化されて、それぞれの携帯ツールの中に納まってしまった。
筒美京平は「売れる曲と良い曲はちがう」と言ったそうだが、2011年
には、彼の考える「売れる曲=たくさんの人が知っている曲」という
概念が消えている。


たぶん、歌謡曲の全盛期には、誰が作曲したか、ということよりも、
誰が唄っているか、が重要だった。
逆に今は情報がすぐに引き出せてソートできるから、筒美京平オタク
が増えているのかもしれない。


わざわざテレビ番組に出演して、松本隆と対談していたときに、自分
は「はっぴいえんど」が分からない、と言っていた。
でも大瀧詠一ロンバケは分かる、とも。
この感覚は私にもあって、幼いころから筒美京平に刷り込まれていた
のかもしれない。


今回のテレビ出演にこぎつけたプロデューサーも偉いが、年齢的に筒
美本人が死を意識したから出演を承諾したのだろうか。
だとしたら、なんだか切ない。