汚れ仕事

福島第一原発の事故で、東電や政府の対応のまずさ・情報公開の遅れに、
多くの人が怒りを爆発させている。
私もひどいと思う。


ただ、最前線で働いている人たちのことを思うと、安全圏にいてあれこれ
言うのは後ろめたい。
まして、私は東電に電気料金を払っているわけでもないので、当事者感覚
がほとんどない。


考えてみれば、私は汚れ仕事をしないで生活している。
肉はスーパーで買ってくればいいし、ゴミは朝出せばそれで終わりだ。
遺体の後片付けもしたことがないし、下水処理も想像したことすらない。


それは、税金を含めて「金を払っているんだからいいだろう?」という
理屈に還元されてしまう。


普段の平和な生活なら、それでいいかもしれない。
しかし、このような大震災や原発事故のような人災の場合は、ちょっと
違うのではないか、と思う。


平時に隠蔽していたダーティー・ワークが、現場でむき出しになっている
ことに、どうしても心がざわつくのだ。


この気持ちが、義援金の多寡に反応することや、行事の自粛につながって
いるのではなかろうか。
四国でそんなことを考えてもしょうがないのだけれど。