日本人だけが知らない日本人のうわさ

日本人だけが知らない 日本人のうわさ 笑える・あきれる・腹がたつ (光文社新書)

日本人だけが知らない 日本人のうわさ 笑える・あきれる・腹がたつ (光文社新書)

内田樹が「日本辺境論」で指摘した、日本人は周りをきょろきょろする、
という意識が形になったような本である。


外国人が日本人をどのように見ているのかを、噂や流言、都市伝説で確認
してみよう、という趣旨で編纂されている。


しかし、筆者の解説は正直言って浅いし、なにより社会学的な裏付けがな
いために、単に噂を集めました、というだけになっている。


さらに、この本に収録されているエピソードは、噂と事実が同じパターン
で記述されているので、よく読まないと区別しにくい。
そのあたりが欠点だろうか。


噂といえば、先日、原宿で将棋倒しになった事件があった。
ジャニーズ事務所のアイドルが竹下通りに来ている、という事実無根の話
が伝わり、若い女性が集まってきたのである。


いまは携帯のメールで、同じ話が短時間に伝わりやすい。
誰かが悪意を持って噂を流せば、騙される人々が爆発的に増えるかもしれ
ない。
たかだか噂だとバカにできないのである。


その意味で、本書の最後に

 このため、海外で日本に関する間違った噂に直面しても、なるべく本当
のことを言って正さないようにしています。(中略)
外国人はこうしたことを信じるからこそ、良い意味でも悪い意味でも日本
という国を身近に感じるようになるのです。噂が間違っているからという
理由だけで、彼らからそれを奪ってしまう権利は誰にもありません

とあるのは、いかがなものかと思う。