日本人だけが知らない 日本人のうわさ 笑える・あきれる・腹がたつ (光文社新書)
- 作者: 石井光太
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/02/17
- メディア: 新書
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という意識が形になったような本である。
外国人が日本人をどのように見ているのかを、噂や流言、都市伝説で確認
してみよう、という趣旨で編纂されている。
しかし、筆者の解説は正直言って浅いし、なにより社会学的な裏付けがな
いために、単に噂を集めました、というだけになっている。
さらに、この本に収録されているエピソードは、噂と事実が同じパターン
で記述されているので、よく読まないと区別しにくい。
そのあたりが欠点だろうか。
噂といえば、先日、原宿で将棋倒しになった事件があった。
ジャニーズ事務所のアイドルが竹下通りに来ている、という事実無根の話
が伝わり、若い女性が集まってきたのである。
いまは携帯のメールで、同じ話が短時間に伝わりやすい。
誰かが悪意を持って噂を流せば、騙される人々が爆発的に増えるかもしれ
ない。
たかだか噂だとバカにできないのである。
その意味で、本書の最後に
このため、海外で日本に関する間違った噂に直面しても、なるべく本当
のことを言って正さないようにしています。(中略)
外国人はこうしたことを信じるからこそ、良い意味でも悪い意味でも日本
という国を身近に感じるようになるのです。噂が間違っているからという
理由だけで、彼らからそれを奪ってしまう権利は誰にもありません
とあるのは、いかがなものかと思う。