- 出版社/メーカー: エスピーオー
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20年ぶりぐらいだろうか。
第二次大戦中、イタリア人の新婚の男がロシア戦線に送られ敗走し、
九死に一生を得る。
一方、夫の帰りをイタリアで待つ妻は、わずかな手掛かりを得て、はる
ばるロシアまで夫を探しに行くが、そこで見たのはロシア人と結婚して
子供までいる夫だった。
だいたいこんな話だが、映画が公開された当時はリアリティがあったの
だろうか? 1970年の作品だが、実話かなにかをベースにしたのか。
いま見るとストーリーが突飛すぎるような気もする。
ただ、その突飛すぎる物語に説得力をもたせているのは、マルチェロ・
マストロヤンニとソフィア・ローレンの圧倒的な身体性である。
この二人がスクリーンに映っていれば、真実味が出てくる。
イタリア映画の醍醐味であろう。
一面のひまわり畑の美しさもさることながら、見ていてふと気になった
のがソ連の原子力発電所である。
ロシア人の妻役のリュドミラ・サベーリエワが、夫が仕事から戻ってく
るのを迎えに行く場面で、背景に原子力発電所が映っている。
あれはどこでロケをしたのだろうか?
当時ソ連で西側の映画会社が撮影するのは、ほとんど不可能だったは
ずで、しぶしぶ許可したときの条件に、こういう先進的なものを背景
に入れて、社会主義国の先進性をアピールさせろ、と言ってきたのか
もしれない。
それから、ソフィア・ローレンが夫を探す場面で、工場から出てくる無
数のロシア人労働者の中から、一発でイタリア人を発見して、夫を見た
ことがないか、と尋ねる場面があるが、ロシア人とイタリア人というの
は、外見でそんなに区別がつくものだろうか?
久しぶりに見たから、そんな荒さがしをしてしまったが、名作であるこ
とに変わりはなかった。